高齢ドライバーが増える中で、安全運転のためにできること。
近年は高齢ドライバーによる交通事故がとてもふえてきているように思います。
自身の安全を守るのはもちろんのこと、加害者にならないために今何が大切なのかを一緒に考えてみませんか?
増え続けている高齢のドライバー
日本では、高齢者の割合がとても高く、超高齢化社会と言われています。そして、それに伴って、75歳以上の免許保有者の数も増えてきているということです。
ニュースで目にするのは、重大な社会問題となっている『高齢者による交通事故』です。
標識の見間違いによる高速道路の逆走やアクセルとブレーキの踏み間違えて家屋に衝突するなど悲しい事故が数多く起きています。
今後も確実に増えていくであろう高齢ドライバー。
最近では、誤発進の抑制や自動ブレーキなど、車自体の機能は大きく進歩しました。こうした技術が安全運転の助けとなりますが、一番大切なことは、運転している人の健康です。特に判断力や目、耳が正常に機能していることは、事故を未然に防ぐ大前提と言えるでしょう。「自分はまだ大丈夫」と過信せずに、自身の健康維持と体調管理を怠らずに安全に運転できているか見極めましょう。
認知機能の重要性
信号を確認して、周りの安全を確かめて正しく車を操作する。安全運転に欠かせないこれらの動作を同時に行うには、瞬時の理解力や判断力が必要とされます。
しかし、認知機能は年齢とともに低下してしまいます。すると、信号や標識を見落としたり、飛び出しなどの突発的なトラブルに対応できなかったりして、事故を起こす確率が上がります。
高齢になると認知症を患う方もでてきます。認知症と診断された場合、免許の取り消しや停止処分を受け、運転はできなくなります。状態によっては本人に自覚がないこともありますので、本人はもちろんのこと、親や兄弟など身近な方でも、もしかしたら?と思ったら、まず病院を受診しましょう。
認知症は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病や、血管が硬くなり、流れが悪くなる動脈硬化と深く関わる病気です。バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れるなどして、これらの病気を遠ざけることが予防につながっていきます。
クリアな視界とクリアな聴こえで情報収集
年齢を重ねると、視野が欠ける緑内障や、ゆがみなどが生じて見えにくくなる加齢黄斑変性症といった目の病気にかかりやすくなります。いずれも進行すると失明の恐れがあるため、定期的に検診を受け、早期に発見することが大切です。
白内障にも注意が必要です。目の中の水晶体が濁る白内障は、老化現象の一つで、誰にでも起こりうる病気です。水晶体の酸化を防ぐことが発症や進行を遅らせることに繋がるため、サングラスをかけるなどして、紫外線に気をつけましょう。
視力は落ちていないのに見えにくくなったという方は、コントラスト感度が低下している可能性があります。夕方や雨の日などは見えづらくなるため、慎重な運転を心がけましょう。
また、高齢の方に多いのが聴こえのトラブルです。実際にはしていないのに「キーン」「ゴー」といった不快な音が聞こえる耳鳴りも安全運転の妨げになってしまいます。きになることがあれば聴力検査をしてみましょう。
ストレスや睡眠不足も、耳鳴りを招く要因の一つです。規則正しい生活を心がけ、リラックスできる時間などを作って心を休ませてあげましょう。
運転免許証「自主返納制度」
運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーの方や、免許が不要になった方が、自主的に運転免許証を返納できる制度です。運転免許証に代わり、本人確認書類として利用できる「運転経歴証明書」の交付が受けられます。証明書の所持者には、タクシーやバスの運賃割引など、様々な特典も用意されています。
カーブをスムーズに曲がれなくなってきた、車庫入れで壁にこすることが増えた、という方はそろそろ自主返納の時期かもしれません。